黄緑色の

     トウダイグサ




 情報を頂いていたので、出かけたついでに遠回りをして遊水池のそばの田んぼを覗いて来ました。
田起こしの済んだ田の周りは、「カラスノエンドウ」「オオイヌノフグリ」「タンポポ」「コオニタビラコ」「タネツケバナ」「ナズナ」「ヘビイチゴ」など春の草たちの大競演、その中で黄緑色の集団が田のふちを帯の様に彩ってトウダイグサが盛りを迎えていました。この草も以前に比べ見る機会が減ったものの一つではないでしょうか?
 名前は岬の灯台では無く、全体の形が油を入れた皿を置く、昔の燈台に似ている事から「燈台草」となったようです。

 公園で遊ぶ子供たちは上着を脱ぎ捨てて走り回っている。明日は4月だ・・・
  
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2011年03月31日 Posted by 松ぽっくり at 17:05Comments(0)寄り道

地表すれすれ

      ムラサキサギゴケ




 「カンゾウ」や「ツルボ」の若葉の間でムラサキサギゴケがランナーを延ばし始めていました。地表すれすれで花を付けるので少し離れると見失ってしまいます。
 名前は、時々白花のもが有って、この形を「白鷺」に見立てて「サギゴケ」と呼ぶ事から淡紫色のこの花を「紫鷺苔」と呼ぶ様になったようだ。最後の「苔」については小さくて地面にへばり付くように広がる様を苔に見立てての事でしょう。
 この花の雌しべの先は上下2つに割れていて、この場所に草の葉先などで軽く触れると、貝が閉じるように口を閉じるのがわかる。この花と出会ったら一度お試しあれ。

 日中はそこそこ気温が上がって過ごし易かった。その性でも無いでしょうが「ツバメ」「アゲハ」に今季初、お目にかかりました。

  
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2011年03月30日 Posted by 松ぽっくり at 17:56Comments(0)フィールド

短いものが

     キブシ


     雄花


 吹きさらしの河原でキブシが開花していました。この花も昨年に比べると2週間以上遅れての開花です。
キブシは雌雄別株でこの木は雄株。ふつう雌花序に比べ雄花序の方が長く垂れさがるのですが、やはり環境のせいでしょう随分短いものが目立ちます。雄花の中を覗くと雄しべと雌しべの両方見えますが雄花は実を結ぶ事は有りません(ちなみに雌花は雄しべが小さく退化していて一見雌しべだけの様に見えます)
 キブシ科はキブシ属の一属6種からなる極めて身内の少ないグループで、ヒマラヤから日本にかけて分布しているとの事です。


  
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2011年03月28日 Posted by 松ぽっくり at 17:29Comments(0)フィールド

一風変わった

          ムラサキケマン




 淀んだ水路のふちでムラサキケマンが紅紫色の目立つ花を付けていました。
この一風変わった形の花は一応4個の花弁からなり上の1枚が特に大きく、後ろに突き出ている。内側の2枚は左右から合わさって先端が合着し、雄しべと雌しべを包んでいます。この形はケシ科の中でもキケマン属の花の特徴となっています。
また黒い小さな種には「種枕(しゅちん)」と呼ばれる蟻の好む付属物が付いている為アリが運び、種枕だけ食べて捨てるので種の散布に役だっています。
有毒植物ですが「ウスバシロチョウ」の食草としても知られています。

  
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2011年03月27日 Posted by 松ぽっくり at 23:00Comments(0)フィールド

白い毛が

          クサノオウ


     若い茎や蕾に白い毛が目立つ


 土手の桜も大分蕾が膨らみを増してきました。その土手の下でクサノオウが咲き始めた。例年に比べるとこの草も2週間程遅れてのお出ましです。
 ケシ科のこの草は「アルカロイド」を含む毒草ですが毒と薬は表裏一体、漢方では白屈菜(はっくつさい)と呼ばれ古くから利用されて来ました。
名前については「草の王」「瘡の王」「草の黄」など由来が多く、意見の分かれる所です。
 日差しに反し、風は冷たさを保っている、中々重衣料が手放せない。  
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2011年03月26日 Posted by 松ぽっくり at 16:35Comments(0)フィールド

点々と

     タチツボスミレ




 此処に来てスミレの仲間が一斉に顔を見せ始めました。昨日の「ヒメスミレ」の有った所から少し離れた桜のそばにタチツボスミレが点々と咲いていました。昨年は気が付かなかった所です。
こちらも「ヒメスミレ」同様、首だけもたげるように咲いています。本来で有れば地上茎が有るタイプなのでもう少し背が伸びるはずなのですが・・・それだけ今シーズンはスミレ達にとって厳しい環境だったのかも知れません。
 話は変わりますが、黒船で来航したペリーが函館でスミレを採取して持ち帰り、それを調べたハーバード大学のグレイ博士が新種として発表したのがこの「タチツボスミレ」
そんな訳で学名の最後に「グレイ」と入っています(Viola grypoceras A,Gray)   
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2011年03月25日 Posted by 松ぽっくり at 17:08Comments(0)フィールド

人家近くを

      ヒメスミレ


 3月も後半に入ったと云うのにかなり厳しい冴え返りで、風の冷たさに首がすくみます。
それでも東向きの斜面でヒメスミレが風をやり過ごす様に地表すれすれに花を付けました。
今年はスミレの仲間の開花が全般に遅れているようだが、フィールドではこのスミレも昨年と比べると半月程遅い出現です。
 スミレの仲間には山地には生えないで、人家近くを好んで生えるものが何種か有りますがこのヒメスミレもその中の一つ。道端や線路わきなど日当たりの良い乾き気味のところに比較的多く見られます。
名前はスミレに比べ全体にやや小型なので「姫菫」となったようです。  
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2011年03月24日 Posted by 松ぽっくり at 16:58Comments(0)フィールド

先生の表現

     ホトケノザ畑


 彼岸の中日は朝からの雨に閉じ込められて、溜まった雑用の消化に勤しみました。
写真は昨日撮った「ホトケノザ」畑一面に咲き誇り、他を圧倒していました。これだけ見事に咲いていると、もしや畑に作っているのではないかと、有らぬ思いが首をもたげ、「ホトケノザ」を検索してみましたが、畑に作る程の有用性はあまり無さそうでした。
その代わり牧野先生が植物記に書かれたお言葉が有り、その表現が楽しかったので紹介します。
ホトケノザを煮て食ってみたまえ、美味くないものの代表はまさにこの草で有る事が分かる。しかし強いて食えば食えない事は無かろうが、まあ御免蒙るべきだね」と以前にも取り上げた事が更に詳しく載っていたの思わず口元がほころんでしまいました。

  
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2011年03月21日 Posted by 松ぽっくり at 17:34Comments(0)雨の日

民間薬として

     カキドウシ




 あまり手入れの行き届いていないミカン畑にカキドウシが昨年とほぼ季を同じくして咲き始めていました。
花に近づいて観ると下唇にかなりの毛が生え、上唇にはまだ花粉を出す前の雄しべがくっ付いているのが見えます。
 この草は昔から民間薬として重宝され、一時期「糖尿病」に効くとしてブームになり盛んに採集された時期がありました(今は忘れ去られていますがface10)
茎は花期には立っていますが、花が終わるとツル状になって地を這い、垣根も突き抜けて行く。と云う事で「垣通し」の名が付いたと云われています。

 穏やかないい陽気でしたが雨になりました。  
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2011年03月20日 Posted by 松ぽっくり at 17:15Comments(0)フィールド

採集者から

        フラサバソウ


 今日は皆さんと野山を歩く日。こんな時ですから中止にしようかとも考えたのですが、毎日重いニュースを見ていて心が沈みがちになるので、時間を短縮してやる事にしました。
集合してみると想定外の人数で資料が不足する始末。皆さんも思いは同じだったようです。
 予定のコースに入る手前の道端にフラサバソウが小さな花を一面に付けていました。なんとも変わった名前ではありますが、この名前は2人の採集者(フランセさんとサバチエさん)から2文字づつ頂いて付けられたとの事です。
ヨーロッパ原産で、世界の温帯に広く帰化しているようです。
  
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2011年03月19日 Posted by 松ぽっくり at 17:50Comments(0)観察会

お印し程度に

     キランソウ


 冷たい風の中、普段より長めの毛を生やして暖かそうな葉の間からキランソウがほんのお印し程度に花を付けていた。
別名「ジゴクノカマノフタ」と呼ばれる程広がって花を付ける本来の姿からはまだまだ程遠いが、それでも雄しべはしっかり花粉を出して虫達の訪れを待っている。
 「暑さ寒さも彼岸まで!」春もいよいよ本格化に向けてスタートを切る事になる。
明日の気温は20℃近くになるとの予報も出ていた。  
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2011年03月18日 Posted by 松ぽっくり at 22:13Comments(0)フィールド

下から順々に

     キュウリグサ




 空地の通路に沿ってキュウリグサが一列に小さな花を付けている。この草も前年とほとんど時期を違わず咲き始めたようだ。
花の咲き始めの頃は茎の先の方に蕾が沢山付いていて、クルクル巻いているが、下から順々に咲いていき最後の花が咲く頃には巻いていた茎はまっすぐになる。
 野の草花にはルーペでのぞいて初めてその良さに気付くものが多々ある。この草もそんな中のひとつ。

「毎年よ、彼岸の入りに寒いのは」と云う子規の句が思い出されて、結構寒い。明日は彼岸の入り!

  
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2011年03月17日 Posted by 松ぽっくり at 17:25Comments(0)フィールド

違える事無く

      ヤマモモ雄花序


 土手横の防災資材の隙間に生えたヤマモモ、今年も前年と寸分「季」を違える事無く、出来の悪い粟菓子の様な花を付けた。これは雄しべが集合しただけの花、残念ながら実はつかない。
この仲間は熱帯を中心に分布していて「ヤマモモ属」で日本に自生するのは「ヤマモモ」だけ。
ただ「ヤマモモ科」に区分を広げると、尾瀬ヶ原の自生が有名な「ヤチヤナギ」も属はちがうが、ヤマモモ科に入る。
 それにしても気温は低くないが、随分と西風の強い日でした。  
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2011年03月16日 Posted by 松ぽっくり at 17:01Comments(0)フィールド

長毛を

     スズメノヤリ


     黄色い3本の柱頭は触手のようで風に運ばれてくる花粉を待っている。


 全体に長毛をまとい、斜面に張り付いてその時を待っていたスズメノヤリ
ここ何日かの暖かい陽気で一斉にその短い槍を立てた。昨年に比べると半月程遅れてのお出ましではあります。
 この仲間は「雌しべ」先熟で黄色い糸くずの様な雌しべの先(柱頭)が受粉した後「雄しべ」が姿を現します。
 この草は寒さに強いと見えて、日本全土の他、中国、樺太、カムチャッカ、東シベリアまで分布しています(長い毛はその為?)



  
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2011年03月15日 Posted by 松ぽっくり at 18:03Comments(0)フィールド

新鮮な

     ショウジョウバカマ


     葯は花粉を出し始めて白くなっている


 一ヶ月前ロゼットの中心から蕾がほんの少し頭を覗かせていたショウジョウバカマ「咲き始めましたよ!」と電話を頂きまして、そそくさと見に行って来ました。face15
 常緑林にしては明るめの斜面、杉の落ち葉を乗せながら咲いていました。まだ蕾の株の方が多く、まさしく咲き始めたばかり、新鮮な花を観察する事が出来ました。
普通花の色はもう少し赤いものが多いようですが、ここでは薄いピンクが主流の様です。
あまり日当たりがよくない事も関係有るのかも知れません。
花の時は20~30cm程の高さですが花が終わり種が出来る頃になると50~60cmに背が高くなります、細い糸きれの様な種を風に托すための知恵です。  
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2011年03月14日 Posted by 松ぽっくり at 18:16Comments(0)花を訪ねて

見過ごされて

      カワヤナギ若木


      カワヤナギ雌花序


 暖かく穏やかな日曜日です。河原は昨日とは一転して随分と賑わっています。
土手の防災ブロックの間にカワヤナギの若木が花を付けていました。花と云っても花弁が有る訳ではないし、色はほぼ薄緑色、おまけに雌雄異株の雌株なので簡単に言えば「雌しべの集まっただけのもの」です。
と云う訳で近くに行ってもその気で見ないと見過ごされてしまいそう。この花、一ヶ月もすれば果実が成熟し、裂開して極めて小さい種に綿毛が付いて4月の空を風に吹かれて舞う事になります(柳絮)
「カワヤナギ」の名前は川沿いに多いから、と何とも解りやすい!

  
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2011年03月13日 Posted by 松ぽっくり at 16:49Comments(0)フィールド

低姿勢

      クサボケ


 すごい!TVに映し出される大災害の恐怖に身体が固くなりました。なす術の無い我が身で有りますが、被災地の皆様が心を強く持って頂ける事を願うばかりです。
 週末のフィールドは人影もまばら、気のせいでしょうが見慣れた風景が息を殺しているかのように感じられます。
 そんな中、内側の土手ではクサボケが思い切り低姿勢で花を開いていました。昨年より一週間程早い確認です。
今年は周りの草の成長が遅れている為、気づくのが早かったのかもしれません。
管理され定期的に草刈りのされる所では果実を見るのは中々難しい事ですが、「ナシ」の様な果実を付けるので、「地梨」の別名があります。  
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2011年03月12日 Posted by 松ぽっくり at 15:07Comments(0)フィールド

博打の木

        バクチノキ樹皮


      若い果実、5月頃に熟します


 今日は別の林道を少しのぞいて来ました。「キブシ」が咲き始めていましたが、それ以外はもう少しと云った所でしょうか。
ただ、途中に見覚えのある樹皮の高木が有り、7~8m上の枝いっぱいに楕円形の実をびっしり付けていました。どうやらバクチノキの様です。
バラ科サクラ属のこの木は9月頃サクラとはほとんど似ていない小さな花を総状に付けます。
 それにしてもインパクトのある名前ですが、その由来は次々にはがれ落ちる樹皮を、博打に負けて身ぐるみはがされるのにたとえて付けられたと云います。お見事!一度聞いたら忘れられない名前です。
果実の写真はかなり離れた所から撮ったので訳の分からない一枚になってしまいました。face07
 今日も風の冷たい一日でした。  
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2011年03月08日 Posted by 松ぽっくり at 17:59Comments(0)下見

草笛に

     スズメノテッポウ


         クリーム色の葯は花粉を出した後、茶色に変わる。


 田起こしのされていない田んぼにスズメノテッポウが一面に生えていました。他の場所の田では見られないがここの2枚だけは何故か占拠しています。恐らく農薬の関係では無いだろうか・・・?
 子供たちが草笛にして遊ぶ草として知られていますが、ものの本によると良い音色を出すには、穂が少し出たのを選び、一番上の葉を付けたまま抜き取り中の穂を抜き捨てて、穂を抜いた時残った葉の先を曲げて、そこを口に含んで吹くのがコツ、とある。ただ昔の子供たちは先刻承知のようだった。

 河原の柳も枝先がほころび始めたのでしょう、遠目にも薄緑色がぼんやり確認出来ます。



  
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2011年03月06日 Posted by 松ぽっくり at 16:39Comments(0)田んぼ

灯をともす

     ダンコウバイ雄花


 今日は少し林道を走って来ました。例年に増して厳しかった冬を物語る様に、山はまだ冬がかなり色濃く残っています。
そんな中、渓流沿いにダンコウバイが1株、枝に灯をともす様に黄色い花を付けていました。「ダンコウバイ」はクスノキ科で比較的大き目の葉を付けます。葉の先は3つに切れ込むので花の無い時でも割と見分け易い。
花は「アブラチャン」と色も形もよく似ていますが、ダンコウバイの方が枝が太めで、「花序」に柄が有りません。アブラチャンの「花序」には柄があります。
この柄の有る無しが花期の両者の識別ポイントになります。

 春の日差しの中に冬の風が吹いて冷たい一日でした。  
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2011年03月04日 Posted by 松ぽっくり at 17:20Comments(0)下見