草笛に

     スズメノテッポウ


         クリーム色の葯は花粉を出した後、茶色に変わる。


 田起こしのされていない田んぼにスズメノテッポウが一面に生えていました。他の場所の田では見られないがここの2枚だけは何故か占拠しています。恐らく農薬の関係では無いだろうか・・・?
 子供たちが草笛にして遊ぶ草として知られていますが、ものの本によると良い音色を出すには、穂が少し出たのを選び、一番上の葉を付けたまま抜き取り中の穂を抜き捨てて、穂を抜いた時残った葉の先を曲げて、そこを口に含んで吹くのがコツ、とある。ただ昔の子供たちは先刻承知のようだった。

 河原の柳も枝先がほころび始めたのでしょう、遠目にも薄緑色がぼんやり確認出来ます。



  
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2011年03月06日 Posted by 松ぽっくり at 16:39Comments(0)田んぼ

ひょっこり

          小鬼田平子




 日脚が伸びて暖かい日が来ると顔馴染みの花達がひょっこりひょっこり顔を出す。
田んぼの南向きの畦、コオニタビラコ(春の七草で云う所のホトケノザ)が今年も顔を出した。
タンポポをグーッと思い切り縮小した様な1㎝にも満たない小さな花だが、春の日を受けてその存在を虫達に大いにアピールしている。

 大分以前の話ではありますが、「ホトケノザ」が2つあっては紛らわしいと云う事で牧野先生に判定をお願いした所、双方の言い分に軍配をいずれにも上げかねて、両方を食べ比べてみる事に、
七草のホトケノザは結構いけるが、シソ科のホトケノザはまずくて食べられないと云う事が判明、そこで先生はシソ科の方を「ニセホトケノザ」とすべし、と云う結論を出されたとか。
現在の図鑑等を見る限りさすがにそうはならなかったようです。  
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2011年02月26日 Posted by 松ぽっくり at 17:50Comments(0)田んぼ

先駆けの

      レンゲソウ




 昨日の雨と2ヶ月程先走った陽気にベランダの「サンシュユ」が満開になってベランダが明るくなった。
フィールドは少々風が強いが気にならない!
田んぼの隅が色付いてレンゲソウの花が揺れていた。春を彩る先駆けの色だ!近づくと1個だけシベのむき出しになっている花がある、もうすでに花バチなどの虫が訪れたのだろうか!虫が花にとまり蜜を吸おうと頭をグイと突っ込んで足を踏ん張ると、舟弁と呼ばれる花弁が下にさがり中から雄しべ、雌しべが顔を出し、虫のお腹をこする仕掛けだ!face02
 このまま春が進む訳ではないが冴え返り冴え返りつつ野山に彩りが増えていくのでしょう。

  
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2011年02月25日 Posted by 松ぽっくり at 18:02Comments(0)田んぼ

初々しく

     タネツケバナ


 暖かい!何と気温は18℃を超えたようです。ただこの気温は今日だけらしい!
まとまった雨とこの気温で大地は一気に活気づいた感があります。 
放置された田んぼではタネツケバナがその存在を主張し始めていました。近づくと、アブラナ科の特徴である小さな十字花(4弁花)が初々しく見えます。
ごくありきたりの花ですが、季節が見る人の目に付加価値を与えるようです。
 昨日とはちがう風が軽くなった襟元をなでていきました。
  
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2011年02月18日 Posted by 松ぽっくり at 17:20Comments(0)田んぼ

西日の中

        ホソバヒメミソハギ果期


 西日の中、殺風景な田んぼの端でホソバヒメミソハギがあずき色に染まって存在感を見せています。そこまで主張されればレンズを向けない訳にはいかない。
あの小さな4ミリ程の花は結実し、ガクに包まれたまま丸い蒴果になっていた。中には1ミリにも満たない小さな種が多数入っている。
はるばる北アメリカから渡来して異郷の地にしっかり順応しているタフなやつだ!face02

 師走の土手下は、つるべ落としの陽が山の端に近づくと、たちまち冷気がよみがえる。  
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2010年12月23日 Posted by 松ぽっくり at 17:35Comments(0)田んぼ

長い花期

     ハナイバナ


 田んぼの畦にハナイバナが小さいけれど整った花を付けていた。
ワスレナグサに似たこの草は「ムラサキ科」、図鑑などによると花期は3月~11月
随分と長い事になっているが、ずっと咲き続けている訳ではない。
 名前は葉と葉の間に花が付く事から「葉内花」となったようです。
花の大きさも形も「キュウリグサ」とよく似ているが「キュウリグサ」は花序の先がサソリの尻尾のようにクルリと巻いているので区別出来る。

 午前中は風も無く暖かく感じたが、午後になって風と共に寒さが襟元に忍び込むようになってきた。
  
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2010年11月29日 Posted by 松ぽっくり at 17:02Comments(0)田んぼ

やさしい色合いの

      イボクサ


    花粉を出している3本とその根元に生える毛が確認できます。


 朝の田んぼ、やさしい色合いのイボクサが稲の間からいくつも顔を出しています。でもツユクサ科のこの花は昼頃には萎んでしまいます
花はガク片3、花弁3、雄しべ6、雌しべ1で構成されていますが、雄しべ6の内3本は長くて花粉を出しますが残り3本は短くて花粉を出さず「仮雄しべ」と呼ばれています。
仕組みも習性も「ツユクサ」とよく似ています。

土手の下、「ノビタキ」がメマツヨイグサのテッペンに止まってこちらを見ています。渡りの途中の栄養補給中なのでしょう、セーフティーラインを固め、少しでも近づくとサッと移動してしまいます。


  
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2010年10月05日 Posted by 松ぽっくり at 22:22Comments(0)田んぼ

断面は丸型

            イヌホタルイ


       イヌホタルイの花序、小穂はホタルイに比べ細長い


 今日は一日雨かと思っていたが止んでいる時間が長く、2時過ぎには日も出てきました。
刈り取りの済んだ田んぼにツクツクとイヌホタルイが立っていました。カヤツリグサ科の茎の断面は3角形が主流ですが、イヌホタルイの茎の断面は丸型
そして花序は茎の途中についているように見えますが、花序から上は苞葉(葉の一種)で茎ではありません。
よく似ている「ホタルイ」も同じような所に生えますが除草剤に弱いとの事で、見る機会が減りました。

 街角に「キンモクセイ」の香が漂うようになりました。例年より遅い開花です。




  
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2010年10月04日 Posted by 松ぽっくり at 18:27Comments(0)田んぼ

逞しさ

         ホソバヒメミソハギ


        花は直径4ミリ程と小さい


 田の草達の生き残りをかけたバトルは、抜かれても刈られても終わる事は無い。
稲刈りの済んだ田に何本もホソバヒメミソハギが小さいながらも赤紫色の
花らしい花を付けていました。 その逞しさに今日もまたカメラを向けてしまいます。

 記録的な残暑も今日が最後であるとメディアは伝えている。信じたい



  
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2010年09月22日 Posted by 松ぽっくり at 16:22Comments(0)田んぼ

常連の

        タマガヤツリ




 田んぼのイネも大分実り始めています。土手の斜面と違い、田の周りは水分が行き届いているので草達も勢いがあり、農家の方々と競争です。
そんな草たちの中に常連の『タマガヤツリの姿も見えました。
カヤツリグサの仲間はどれも地味で雰囲気も似ているので識別が難しい。
「タマガヤツリ」は球形の花穂とこの仲間としては軟らかく折れやすい茎に特徴があります。
 ちなみにカヤツリグサ科の茎の断面は大抵が三角形をしています(例外も有り)


  
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2010年09月05日 Posted by 松ぽっくり at 18:26Comments(0)田んぼ

ペパーミント

        コショウハッカ


 先日の「マルバハッカ」に続いてコショウハッカも田んぼのすみで咲いていました。
ヨーロッパ原産のこのハッカは英名「ペパーミント」、世界各地で香辛料として栽培され、また野生化しているようです。
 日本にも明治年間に香辛料として導入されましたが、本格的に生産されるには至らずハーブとして家庭用に栽培されて来ました。全国的に野生化していて、別名は「セイヨウハッカ」
ハーブに興味を持つ方が増えているので、ハッカの仲間は新たな野性化が進む可能性があります。
 立秋の後、多少和らいでいた暑さがぶり返しました。  
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2010年08月13日 Posted by 松ぽっくり at 22:53Comments(0)田んぼ

線香花火

     アゼガヤツリ


      白い糸状は雌しべの先端


 近所の田んぼのイネも大分背丈が伸びて来ました。畦の草も歩調を合わせて伸びています。
そんな中にアゼガヤツリ線香花火の様な姿でアクセントを付けています。でももうすぐ抜かれる定めでは有るのですが・・・名前は畔に多いカヤツリグサと云う事で「畔蚊帳吊」となりました。
「カヤツリグサ」「コゴメガヤツリ」と並んで休耕田や畔などに最も多い種です。

今日も一日雨の予報でしたが、午後になるとひとしきり青空が出て夜はまた雨。この所こんな荒っぽい日が続きます。

  
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2010年07月13日 Posted by 松ぽっくり at 22:47Comments(0)田んぼ

ほぼ直立

          エゾミソハギ


    ガクの先の付属体がまっすぐ立っている。
    

 整然と並ぶ早苗、きれいに草取りの済んだ畦にエゾミソハギの花が目を引く。
名前に「エゾ」と付いているが、日本全土の「ミソハギ」と同じような所に生えている。
ミソハギに比べ全体に毛が多く、ガクの付属体は開出せずにほぼ直立する。そして葉の基部は茎を抱くような感じになる。などの点で識別できる。

 いよいよ7月に入り、今年も半分終わった。云いたくは無いがこのスピードは何とかならないものだろうか!
  
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2010年07月01日 Posted by 松ぽっくり at 22:12Comments(2)田んぼ

数の子

         カズノコグサ


        この形を数の子に見たてました


 住宅や道路に挟まれた田んぼにも水が張られ早苗が見られる様になりました。

今年は作るのをやめたのでしょうか?畑の横のまだ手の入っていない田は草達のパラダイスface10
その中にカズノコグサも白い雄しべの先を見せて立っていました。

花穂の形を「数の子」に見立ててこの名前が付いたようですが、この数の子は熟すとパラパラと落ちます。
田起こし前の水田に多い雑草のひとつです。





  
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2010年05月30日 Posted by 松ぽっくり at 17:15Comments(0)田んぼ

田植えの頃

        サナエタデ




 田起こしが遅れている?田んぼにサナエタデが花を見せていました。

「オオイヌタデ」に似ていますが一回り小型で節が膨れず、葉の側脈が少ない点などが識別ポイントのようです。
タデの仲間では花期が早く、田植えの頃にはもう花が咲いているので「早苗蓼」の名が付きました。

上空に寒気が入っているとかで不安定な空模様、一瞬ですが一雨有りました。  
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2010年05月26日 Posted by 松ぽっくり at 17:22Comments(0)田んぼ

なつかしき名の

 朝から冷たい雨、フィールドはお休みです。
そこで、22日に田んぼで出会った『ハハコグサ』を取り上げて見ました。
野の草たちとの出会いを一年以上楽しんできたのに、春の七草の一つでもあるこの草をもらしていました。
茎や葉に白い綿毛が有り、冠毛がほうけ立つ様子から「ホウコグサ」と呼ばれ、それが訛って「ハハコグサ」になったそうです。
春の七草の方では「オギョウ(人形の意味)」と呼ばれます。
昔は草餅に使われていましたが、色がよく出る等の理由で「ヨモギ」に取って代わられました。
「老いて尚なつかしき名の母子草」 虚子
地味ながら、野の草の愛おしさを感じさせてくれる草です。

                                              ハハコグサ
  
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2010年03月24日 Posted by 松ぽっくり at 14:41Comments(0)田んぼ

タンパク質を

 予報では午後には日差しが戻る事になっていましたが、戻ったのは時折の小雨でしたface09
近所の田んぼでは『レンゲ』が目立つようになってきました。
レンゲは葉にタンパク質を豊富に含むため、古くから家畜の飼料として利用され、ミツバチの密源としても知られています。
コクが有って上品な甘味のレンゲの蜂蜜はハイクラスに位置づけられているようです。

明日は又icon15 すっきりした晴れ間の恋しいこの頃です。


レンゲ
  
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2010年03月08日 Posted by 松ぽっくり at 23:04Comments(0)田んぼ

草遊びの

 学校の裏の田んぼに『スズメノテッポウ』が沢山出ていた。条件がよかったのか随分と早い。
スズメノテッポウは最近久しぶりの様な気がする。
昔の田んぼには必ずあった草だが、最近はある田んぼが少なくなったようだ。
漢字にすると「雀の鉄砲」そして「雀の枕」「槍草」「ピーピーグサ」などの別名も有ります。
その名前で分かる様に子供の草遊びの一つとして親しまれました。(穂を引き抜いて笛にしました)face02
 安倍奥の山は雪を頂いています。風が冷たいので土手の下を帰ってきました。


スズメノテッポウ
  
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2010年02月02日 Posted by 松ぽっくり at 16:11Comments(2)田んぼ

ゴボウと

 ついに大晦日、とは言っても落語のように借金取りが来る訳でも無いし普段と変わらないのですが、何とはなしに、いよいよか!感が有ります。時間に流されて何と無く一年が過ぎてしまった事への悔恨なのでしょう (>_<)
 今度の寒波は元日がピークとの事で大晦日のフィールドは「風花」が舞ってしたたかに冷たい、山は恐らく雪でしょう。
指先が冷たくなって早々に逃げ帰る途中、田んぼの隅で『スカシタゴボウ』がふるえていました。
黄色い小さな花も心なしか縮かんで見えます。「透し田牛蒡」の名前の由来はよく解っていませんが、根を煮るとゴボウと同じ香りと味がするそうです。葉もくせが無くて山菜としても利用できます。
「イヌガラシ」とよく似ていますが、イヌガラシの果実は長い棒状をしています。


スカシタゴボウ  
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2009年12月31日 Posted by 松ぽっくり at 14:50Comments(0)田んぼ

寝るときに

 暖かい日が続きます。
田んぼの隅に『ノミノフスマ』が花を付けています。花期は4月~10月と云われますが、暖かい静岡では一年の内、かなりの期間見る事が出来ます。
小さい白い花は5弁ですが、真中が深く切れ込んでいて10弁に見えます。face08
よく名前の知られている「ハコベ」とよく似ていますが、ガクの長さが花弁より短い点で識別できます。icon22
名前の「蚤の衾」はその小さな葉を、蚤が寝るときの「衾」に見立てたと言います。ちなみに「衾」とは寝るときに体を被うものの事で、今で云うところの布団です。聞いた話ですが、中にワラを入れた粗末な紙の布団を「紙ぶすま」と言うそうです(大昔の話でしょうが、)
土手の下のイチョウもいい色になりました。


ノミノフスマ






















イチョウ黄葉  
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2009年11月27日 Posted by 松ぽっくり at 21:50Comments(0)田んぼ