若葉と共に

        サルトリイバラ


     これは雄しべの無い雌花の集まり


 風がつよい!川下から川上に南西の風が強力にふいている。ペダルが軽く、時々こがなくても進む。帰りは別の道にしよう。face10
 お地蔵さんの上の林縁にサルトリイバラが若葉と共に目立たない花をぶら下げていた。花は目立たないが、秋に付ける赤い実はよく目立ち、丸い大きな葉は団子を包むのに使われるなど昔から人々に親しまれてきた。
 以前はユリ科シオデ属に分類されていましたが、最近の新分類法ではシオデ属が独立して「シオデ科」となったようです。face07
 どうやら雨は夜までもってくれそう、と思っていたら落ちてきた。

  
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2011年04月08日 Posted by 松ぽっくり at 16:34Comments(0)フィールド

黄色く染めて

     ミツバツチグリ




 この所暖かい日が続いて土手の桜や草たちに勢いが付いてきた。
西向き斜面の下の方でミツバツチグリが一画を黄色く染めている。花は咲き始めて少し日が過ぎた感が有るので気付かずに通り過ぎていたらしい。
 昨年は取り上げていないが一昨年とほぼ同時期に開花したものと思われる。
「陽を受けて三葉土栗つる延ばし」(一水)と云う句が有るが花の終わりごろ、ほふく枝を出して殖えていくのでしばしば群生する。
 明日は久しぶりに一雨有りそうな予報が出ている。恵みの雨で春の草たちの勢いは一段と加速する事でしょう。

  
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2011年04月07日 Posted by 松ぽっくり at 17:04Comments(0)フィールド

釣り糸を

        ウラシマソウ


 それ程気温は低い訳ではないが今ひとつ春の暖かさが実感出来ない。
それでも土手の「ソメイヨシノ」はチラホラ咲き始め、お地蔵さん下の藪では「ヤマブキ」も蕾をほどき始めた。
ウラシマソウは昨年に比べると、10日程遅れたがその釣り糸を延ばしています。このムチ状のものは苞の中にある花の付属体で、長いものは50㌢にもなります。
これを浦島太郎の釣り糸にたとえて「浦島草」の名が付きました。それにしても何のためにこんなに長く延ばす必要があったのでしょう???
  
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2011年04月04日 Posted by 松ぽっくり at 17:54Comments(0)フィールド

日本的で

     スミレ




 4月に入ったからと云う訳では無いだろうが、土手の斜面で急にスミレが目立つようになった。
私達が「スミレ」と云う名前を聞いて思い浮かべるのは、濃い紫色の花とヘラ型の葉を持ったこのスミレでは無いでしょうか?その姿形はどことなく日本的で、日本特産の様な気さえします。しかし分布の中心は大陸で、日本はその一部でしか有りません。
 それでは日本で一番目に付くスミレは?と云うと「タチツボスミレ」の様です。タチツボスミレは中国や済州島、台湾などにも分布するものの、分布の中心は日本列島で、海岸近くの道端から亜高山まで広く見る事が出来ます。
  
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2011年04月01日 Posted by 松ぽっくり at 16:57Comments(1)フィールド

地表すれすれ

      ムラサキサギゴケ




 「カンゾウ」や「ツルボ」の若葉の間でムラサキサギゴケがランナーを延ばし始めていました。地表すれすれで花を付けるので少し離れると見失ってしまいます。
 名前は、時々白花のもが有って、この形を「白鷺」に見立てて「サギゴケ」と呼ぶ事から淡紫色のこの花を「紫鷺苔」と呼ぶ様になったようだ。最後の「苔」については小さくて地面にへばり付くように広がる様を苔に見立てての事でしょう。
 この花の雌しべの先は上下2つに割れていて、この場所に草の葉先などで軽く触れると、貝が閉じるように口を閉じるのがわかる。この花と出会ったら一度お試しあれ。

 日中はそこそこ気温が上がって過ごし易かった。その性でも無いでしょうが「ツバメ」「アゲハ」に今季初、お目にかかりました。

  
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2011年03月30日 Posted by 松ぽっくり at 17:56Comments(0)フィールド

短いものが

     キブシ


     雄花


 吹きさらしの河原でキブシが開花していました。この花も昨年に比べると2週間以上遅れての開花です。
キブシは雌雄別株でこの木は雄株。ふつう雌花序に比べ雄花序の方が長く垂れさがるのですが、やはり環境のせいでしょう随分短いものが目立ちます。雄花の中を覗くと雄しべと雌しべの両方見えますが雄花は実を結ぶ事は有りません(ちなみに雌花は雄しべが小さく退化していて一見雌しべだけの様に見えます)
 キブシ科はキブシ属の一属6種からなる極めて身内の少ないグループで、ヒマラヤから日本にかけて分布しているとの事です。


  
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2011年03月28日 Posted by 松ぽっくり at 17:29Comments(0)フィールド

一風変わった

          ムラサキケマン




 淀んだ水路のふちでムラサキケマンが紅紫色の目立つ花を付けていました。
この一風変わった形の花は一応4個の花弁からなり上の1枚が特に大きく、後ろに突き出ている。内側の2枚は左右から合わさって先端が合着し、雄しべと雌しべを包んでいます。この形はケシ科の中でもキケマン属の花の特徴となっています。
また黒い小さな種には「種枕(しゅちん)」と呼ばれる蟻の好む付属物が付いている為アリが運び、種枕だけ食べて捨てるので種の散布に役だっています。
有毒植物ですが「ウスバシロチョウ」の食草としても知られています。

  
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2011年03月27日 Posted by 松ぽっくり at 23:00Comments(0)フィールド

白い毛が

          クサノオウ


     若い茎や蕾に白い毛が目立つ


 土手の桜も大分蕾が膨らみを増してきました。その土手の下でクサノオウが咲き始めた。例年に比べるとこの草も2週間程遅れてのお出ましです。
 ケシ科のこの草は「アルカロイド」を含む毒草ですが毒と薬は表裏一体、漢方では白屈菜(はっくつさい)と呼ばれ古くから利用されて来ました。
名前については「草の王」「瘡の王」「草の黄」など由来が多く、意見の分かれる所です。
 日差しに反し、風は冷たさを保っている、中々重衣料が手放せない。  
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2011年03月26日 Posted by 松ぽっくり at 16:35Comments(0)フィールド

点々と

     タチツボスミレ




 此処に来てスミレの仲間が一斉に顔を見せ始めました。昨日の「ヒメスミレ」の有った所から少し離れた桜のそばにタチツボスミレが点々と咲いていました。昨年は気が付かなかった所です。
こちらも「ヒメスミレ」同様、首だけもたげるように咲いています。本来で有れば地上茎が有るタイプなのでもう少し背が伸びるはずなのですが・・・それだけ今シーズンはスミレ達にとって厳しい環境だったのかも知れません。
 話は変わりますが、黒船で来航したペリーが函館でスミレを採取して持ち帰り、それを調べたハーバード大学のグレイ博士が新種として発表したのがこの「タチツボスミレ」
そんな訳で学名の最後に「グレイ」と入っています(Viola grypoceras A,Gray)   
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2011年03月25日 Posted by 松ぽっくり at 17:08Comments(0)フィールド

人家近くを

      ヒメスミレ


 3月も後半に入ったと云うのにかなり厳しい冴え返りで、風の冷たさに首がすくみます。
それでも東向きの斜面でヒメスミレが風をやり過ごす様に地表すれすれに花を付けました。
今年はスミレの仲間の開花が全般に遅れているようだが、フィールドではこのスミレも昨年と比べると半月程遅い出現です。
 スミレの仲間には山地には生えないで、人家近くを好んで生えるものが何種か有りますがこのヒメスミレもその中の一つ。道端や線路わきなど日当たりの良い乾き気味のところに比較的多く見られます。
名前はスミレに比べ全体にやや小型なので「姫菫」となったようです。  
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2011年03月24日 Posted by 松ぽっくり at 16:58Comments(0)フィールド

民間薬として

     カキドウシ




 あまり手入れの行き届いていないミカン畑にカキドウシが昨年とほぼ季を同じくして咲き始めていました。
花に近づいて観ると下唇にかなりの毛が生え、上唇にはまだ花粉を出す前の雄しべがくっ付いているのが見えます。
 この草は昔から民間薬として重宝され、一時期「糖尿病」に効くとしてブームになり盛んに採集された時期がありました(今は忘れ去られていますがface10)
茎は花期には立っていますが、花が終わるとツル状になって地を這い、垣根も突き抜けて行く。と云う事で「垣通し」の名が付いたと云われています。

 穏やかないい陽気でしたが雨になりました。  
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2011年03月20日 Posted by 松ぽっくり at 17:15Comments(0)フィールド

お印し程度に

     キランソウ


 冷たい風の中、普段より長めの毛を生やして暖かそうな葉の間からキランソウがほんのお印し程度に花を付けていた。
別名「ジゴクノカマノフタ」と呼ばれる程広がって花を付ける本来の姿からはまだまだ程遠いが、それでも雄しべはしっかり花粉を出して虫達の訪れを待っている。
 「暑さ寒さも彼岸まで!」春もいよいよ本格化に向けてスタートを切る事になる。
明日の気温は20℃近くになるとの予報も出ていた。  
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2011年03月18日 Posted by 松ぽっくり at 22:13Comments(0)フィールド

下から順々に

     キュウリグサ




 空地の通路に沿ってキュウリグサが一列に小さな花を付けている。この草も前年とほとんど時期を違わず咲き始めたようだ。
花の咲き始めの頃は茎の先の方に蕾が沢山付いていて、クルクル巻いているが、下から順々に咲いていき最後の花が咲く頃には巻いていた茎はまっすぐになる。
 野の草花にはルーペでのぞいて初めてその良さに気付くものが多々ある。この草もそんな中のひとつ。

「毎年よ、彼岸の入りに寒いのは」と云う子規の句が思い出されて、結構寒い。明日は彼岸の入り!

  
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2011年03月17日 Posted by 松ぽっくり at 17:25Comments(0)フィールド

違える事無く

      ヤマモモ雄花序


 土手横の防災資材の隙間に生えたヤマモモ、今年も前年と寸分「季」を違える事無く、出来の悪い粟菓子の様な花を付けた。これは雄しべが集合しただけの花、残念ながら実はつかない。
この仲間は熱帯を中心に分布していて「ヤマモモ属」で日本に自生するのは「ヤマモモ」だけ。
ただ「ヤマモモ科」に区分を広げると、尾瀬ヶ原の自生が有名な「ヤチヤナギ」も属はちがうが、ヤマモモ科に入る。
 それにしても気温は低くないが、随分と西風の強い日でした。  
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2011年03月16日 Posted by 松ぽっくり at 17:01Comments(0)フィールド

長毛を

     スズメノヤリ


     黄色い3本の柱頭は触手のようで風に運ばれてくる花粉を待っている。


 全体に長毛をまとい、斜面に張り付いてその時を待っていたスズメノヤリ
ここ何日かの暖かい陽気で一斉にその短い槍を立てた。昨年に比べると半月程遅れてのお出ましではあります。
 この仲間は「雌しべ」先熟で黄色い糸くずの様な雌しべの先(柱頭)が受粉した後「雄しべ」が姿を現します。
 この草は寒さに強いと見えて、日本全土の他、中国、樺太、カムチャッカ、東シベリアまで分布しています(長い毛はその為?)



  
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2011年03月15日 Posted by 松ぽっくり at 18:03Comments(0)フィールド

見過ごされて

      カワヤナギ若木


      カワヤナギ雌花序


 暖かく穏やかな日曜日です。河原は昨日とは一転して随分と賑わっています。
土手の防災ブロックの間にカワヤナギの若木が花を付けていました。花と云っても花弁が有る訳ではないし、色はほぼ薄緑色、おまけに雌雄異株の雌株なので簡単に言えば「雌しべの集まっただけのもの」です。
と云う訳で近くに行ってもその気で見ないと見過ごされてしまいそう。この花、一ヶ月もすれば果実が成熟し、裂開して極めて小さい種に綿毛が付いて4月の空を風に吹かれて舞う事になります(柳絮)
「カワヤナギ」の名前は川沿いに多いから、と何とも解りやすい!

  
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2011年03月13日 Posted by 松ぽっくり at 16:49Comments(0)フィールド

低姿勢

      クサボケ


 すごい!TVに映し出される大災害の恐怖に身体が固くなりました。なす術の無い我が身で有りますが、被災地の皆様が心を強く持って頂ける事を願うばかりです。
 週末のフィールドは人影もまばら、気のせいでしょうが見慣れた風景が息を殺しているかのように感じられます。
 そんな中、内側の土手ではクサボケが思い切り低姿勢で花を開いていました。昨年より一週間程早い確認です。
今年は周りの草の成長が遅れている為、気づくのが早かったのかもしれません。
管理され定期的に草刈りのされる所では果実を見るのは中々難しい事ですが、「ナシ」の様な果実を付けるので、「地梨」の別名があります。  
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2011年03月12日 Posted by 松ぽっくり at 15:07Comments(0)フィールド

ニョキニョキと

         ツクシ


 土手の東側斜面にツクシがニョキニョキ顔を出しています。昨日もこの道を通ったのに気が付きませんでした。人の目も当てになるようでならないものです。icon10
 ツクシとスギナは同じ根から出ますが、「ツクシ」は胞子を専門に作る云わば「花」で、「スギナ」は光合成をする為の栄養体と云う事になります。そしてツクシを食べる時に取り除く「ハカマ」は葉が退化したものと云われています。
 ちなみにツクシの胞子には4本のバネがあり乾燥すると伸び、湿ると縮む性質があるので胞子のかたまりに静かに息を吹きかけるとむくむくと動く。face08


  
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2011年02月23日 Posted by 松ぽっくり at 17:14Comments(0)フィールド

陽気に誘われて

     シジュウカラ♂


 いい陽気になって来ました、寒さが気にならないと云うか、背中はポカポカです。
桜の梢では太めのネクタイをしたシジュウカラ』の♂が囀っています。私も対抗して鳴き真似を・・・・彼は急に現れたライバルの声にあたりをキョロキョロと見渡しています。
あまり惑わせても悪いので先に進む事に。
土手の下の土を掘り起こした所ではイソヒヨドリ』の♀が餌を探していましたが、こちらに気づいて石の上で様子をうかがっています。「イソヒヨドリ」のオスも決して派手ではありませんが、メスは更に地味でご覧のように目立ちません。
「タマシギ」のような例外も有りますが、野鳥は一般的にオスの方が派手なようです。
                                         イソヒヨドリ♀



  
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2011年02月22日 Posted by 松ぽっくり at 17:01Comments(0)フィールド

ほぼ通年

        ノボロギク




 日本列島はすっぽりと高気圧の中に納まって朝から大快晴!だったが・・・
いつもは素通りするこの草の前で足が止まる。この季節、数少ない花のひとつだ!
ほぼ通年花を付けるが、余り群生する事は無い。
何といっても舌状花(花弁)が無いと云う事が人気面では大いに不利ではある。
欧州生まれで明治の頃にやって来て、頂いた名前がノボロギクこちらも今ひとつさえない。
  
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2011年02月16日 Posted by 松ぽっくり at 17:04Comments(0)フィールド