無法地帯

 誘惑に負けてまた枯野に足を踏み入れる。土手の上から見ている河原は容易く歩けそうに見える。
しかしそこはかなり手強い事を私は知っている。クズやノイバラの蔓が縦横に絡まりあって行く手を阻み、ノイバラの棘は枯れてもその能力を失わない事も。しかし迷い込む。そして攻撃をかわしながら進むと河原の住人達が姿を見せる。
メリケンカルカヤはアメリカ生まれのせいか?枯草色の赤みが強い。その穂先には白い綿毛の種が未だに旅立たずにくっついている。もっと強い風がお望みなのだろうか?
カワラハハコは白いドライフラワーとなって澄ました顔で佇んでいる、もう子孫は残したんだね。
あの夏の日一面を覆い尽くしていたクズは豆の鞘に狸の様な剛毛を生やし、風に吹かれている。
こちらは生粋の日本生まれ、全国をまたにかける兵。まさしくそんな顔色だ。今年の夏も縄張りを広げる事だろう。
端正な形の種を付けたつけたメドハギは花の頃より逞しげに見える。
陽も傾いてきた、今日はこの辺で踵を返して引き揚げるとしよう。


左からメリケンカルカヤ、カワラハハコ、クズ、メドハギ  
タグ :植物


2009年01月06日 Posted by 松ぽっくり at 21:04Comments(0)フィールド